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message  テーマ2 想像力をふくらませる    創七 ウェットとドライ


 ウェットな感じとドライな感じ。庭をイメージするとき、どちらでいくのかということは、最初の段階で感覚的には決まっていることでしょう。感覚的にと言ったのは、あまり意識されていないからです。

 庭を構成する素材について、誤解を恐れずに何がウェットで何がドライなのかということを整理しておきましょう。ウェットとドライは、言葉どおり言えば湿と乾ですが、言い換えるなら有機的と無機的とも言えます。また、自然界にそのまま存在するものと人工的なものというようにも言えるかもしれません。ちょっと強引に区分してみましょう。



ウェット or ドライ

 植物がふんだんにあるなら、つまり土の部分が多いならウェット。タイルが敷き詰めてあるのならドライ。
 瓦はウェット、アクリルはドライ。
 陶器はウェット、磁器はドライ。
 木はウェット、金属はドライ。
 コンクリートは? 人工的につくられたものという意味ではドライ。でも、年月が経って汚れて黒ずんできたらウェット。苔でも生えてきたら完全にウェット。
 鉄、ステンレス、銅、アルミはどれもドライ。でもそれぞれを比較するなら、鉄はステンレスよりウェット。アルミと銅なら、銅がウェット。どちらがより自然らしいかというより、自然とともに、あるいは年月とともに変化する、風情を増すかという比較です。
 石は? 素材そのものとしてはウェットです。自然のものですから。でも、ぴかぴか、つるつるに磨いたものならドライ。
 芝生と玉砂利敷きはどちらもウェット。でも比較するなら、芝生の方がウェット。レンガは表面の様子が土っぽいのでウェット。
 タイルはレンガより緻密で硬くガラスっぽいのでドライ。

 色は? 土色のことをアースカラーと言いますが、これはウェットで、鮮やかな赤や青はドライ。ちょっと苦しい区分ですが、なんとなくです。



素材をふるいにかける

 何が言いたいのか。イメージを固めてから、具体的に素材を決めていくときに、こういった視点をもっていると間違いが少なくなります。色合いもよく考えて合わせたはずなのに、並べてみると何か違和感があるってこと、ありますよね。それぞれの物のもつ素材感にミスマッチがあるのではないでしょうか。例えば庭のイメージをウェットでいくなら、できるだけウェット寄りのものを選んで庭を構成するとうまくいきやすいということです。

 ただ、それはうまくまとめるためで、いわば無難にということでもあります。緑で覆われた極めてウェットな空間の中に、例えば一本のステンレスのカチンとした手すりが素直に通っているという、デザインされた様子も好感がもてます。要はウェットかドライかという素材感を理解してとりかかることが大切なのです。

 別項で、庭のイメージと建物をマッチさせるということは考えなくてもよいとお話ししました。なぜなら、今のほとんどの建物はドライな印象をもつからです。とくにプレハブ住宅は工業製品として緻密に狂いなくつくられ、人工的な美しさを追求しています。もちろん外壁表面の模様は石積み調、レンガ積み調にデザインされていたりもしますが、あくまでもそれは「〜調」であって、誰も本物の石積みだともレンガ積みだとも思ってはいませんよね。ウェットかドライかというのは、見た目の印象なわけですから、パネルを組み立ててつくる建物は完全にドライな印象になります。もし庭のイメージを建物に合わせるとしたら、街中がドライな庭ばかりになってしまうでしょう。






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